美肌に良いことをまとめます

皮膚は、表皮、真皮、皮下組織で構成されます。そのなかでも、スキンケアをするうえでとくに知っておきたい、表皮と真皮の構造を中心に、くわしく説明していきます。

 

表皮の構造

皮膚のいちばん表面の部分が、表皮です。「角質」という言葉をよく耳にしますが、角質も表皮の一部です。表皮のいちばん上にある死んだ細胞(角質細胞)の層を角質層と呼び、その下の生きた細胞(表皮細胞)の層と区別しているのです。

 

角質層

肌のいちばん表面にある、表皮細胞の死んだもの(角質細胞)でできているのが角質層です。約30%の水分を含んでいます。皮膚に触れるすべてのものからからだを守り、また、内部の水分が外へ蒸発しないように守る、バリアとしての働きをしています(角質のバリア機能。角質細胞は、やがては垢となって脱落していきます(ターンオーバー。

 

角質層以下の表皮

角質層と違って、生きた細胞(表皮細胞)でできています。約65%の水分を含んでいます。外からの刺激に反応して、その情報を神経などに伝えたり、ときにはアレルギー反応を起こすなど、さまざまな活動をしています。つまり、生きたひとつの臓器です。表皮は、顔では0.1ミリほどの厚さをもち、約28日間かけてターンオーバーをしています。ただしターンオーバーは加齢で遅くなり、この層も薄くなります。基底層は、表皮のいちばん下にあり、新しい表皮細胞が生まれる工場の働きをしています。また、基底層には、メラノサイトがあり、紫外線に反応してメラニン色素をつくり出しています(P28参照)。

 

メラノサイト

メラニンをつくり出す色素細胞です。

 

真皮

表皮の下の部分にあたり、約70%はコラーゲンと呼ばれる線維でできています。コラーゲンは真皮の中に網目状のネットワークをつくり、真皮の弾力を維持しています。コラーゲンのところどころにエラスチンと呼ばれる別の線維があり、コラーゲンの構造を支えるように働いています。これらの線維が古くなって弾力を失うことが、シワの最大の原因です。 以上の2種類の線維のまわりを埋めつくすように、ヒアルロン酸と呼ばれるゼリー状の物質が存在し、真皮の水分を守っています。

 

コラーゲン

真皮の主成分。ゴムのように弾力をもった線維。線維芽細胞からつくり出され、古くなったものは酵素などで分解されていきます(P30参照)。コラーゲンの変性や減少が、シワのおもな原因です。化粧品にも配合されますが、これは保湿成分であって、真皮に浸透してシワを治すものではありません。

 

エラスチン

コラーゲンの線維を、ところどころでつなぎとめるようにして支えているのが、エラスチン線維(弾性線維)です。真皮の約5%前後を占めますが、年齢とともに減ってしまい、これもシワの発生に関係します。

 

 

線維芽細胞

真皮の成分(コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸)を産み出し、真皮の構造をつくりあげる働きをする細胞です。

 

 

ヒアルロン酸

ムコ多糖類と呼ばれるゼリー状物質で、肌では真皮に存在します。真皮にはりめぐらされたコラーゲンとエラスチンの、網目構造の間を埋めつくして、やはり肌弾力を支えています。ヒアルロン酸は、水分を含む力が非常に強く、このヒアルロン酸がたくさんあるほど、真皮はみずみずしいということになります。年齢とともにヒアルロン酸は減っていくため、真皮の水分も減少します。つまり、ヒアルロン酸がもっとも多くあるのは、赤ちゃんの肌です。腕や足の関節の中にも、ヒアルロン酸は存在します。ゼリーのようなヒアルロン酸が潤滑油のように働いて、関節のスムーズな動きを助けています。また、目の中でもヒアルロン酸が、水分を維持しています。このように、人体のあちこちで水分維持に働くヒアルロン酸ですが、残念ながら、年齢とともに減っていき、食品などから補うことはできません。

 

皮脂腺

皮脂を分泌する細胞の集まりが皮脂腺です。皮脂腺で作られた皮脂は、毛穴の中に分泌され、毛をたどって、肌の表面に排出されます。皮脂の主成分は、脂肪酸系物質が40%、ロウ類が25%、スクアレンが10%程度です。

 

汗腺

汗を分泌する細胞の集まりが汗腺です。汗腺には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類があります。

 

美肌にとってもとっとも大事なことを知るために

 「ターンオーバー」とは、入れ変わるというような意味ですが、美容の分野ではとくに、表皮の生まれ変わりのことを指しています。表皮細胞が基底層のところで新しく生まれて、約28日かけて角化し、角質細胞になり、最後は垢としてはがれていく、このサイクルをターンオーバーと呼ぶのです。ターンオーバーによって、表皮細胞は絶えず入れ替わっていることになり、そのため、表皮にできた傷は、痕が残らずに治ります。枝毛ができても、髪が生え変われば元に戻るのと同じです。しかし、表皮を越えて真皮まで傷がついてしまうと、真皮はターンオーバーしていませんから、痕が残ることがあるわけです。また、紫外線でメラニン色素ができても、表皮の中にとどまっていれば、28日後にはターンオーバーとともに排出されて色は戻りますが、真皮まで色素が及んでしまうと、ずっと残ることになります。これがシミになるのです。
 このように大切なターンオーバーですが、年齢とともに速度が落ちて、40代になると約40日ほどかかるといわれます。このため傷の治りも遅くなり、シミもできやすくなるわけです。また、角質層は厚くなり、角質層以下の表皮は薄くなります。肌がくすむ、硬くなる、乾燥がなかなか治らない、小ジワができるといった状態が見られるのは、ターンオーバーの速度が落ちている証拠です。

 

 

角質のバリア機能

私達が素手で洗剤を触っても、洗剤がしみ込んでくることはありません。これは角質層に「バリア機能」というものが働いているからです。海に入っても塩づけにならないのも、バリア機能のおかげです。肌のいちばん表面にある、死んだ細胞(角質細胞)の層が「角質層」です。顔でいうと、約20層の細胞がレンガのように積み重なってできていて、厚さは0.02ミリほどになります。この非常に薄い角質層いう膜が、皮膚に触るすべてのものがらからだを守り、また内部の水分が外へ蒸発しないように守る働きをしているのです。これを「角質のバリア機能」といいます。

 

健康な角質層は、自分自身で保湿成分(おもにセラミド)をつくり出しているため、約30%ほどの水分を含んでいます。この水分が低下することが乾燥肌です。乾燥肌になるとバリア機能も損なわれます。バリア機能が失われると、外からの刺激が入り込みやすくなり、小さな刺激にも反応してしまいます。これが敏感肌です。そのため、化粧品がしみたり、髪がふれただけでかゆくなったりとう症状が起きてきます。

 

すべての生きた細胞には、原則的にひとつずつの「核」があります。ほかの動物も、植物でも同じです。核は核膜という膜におおわれていて、中にDNAを含む染色体がはいっています(ここに遺伝情報が刻まれているのはご存知のとおりです)。核があるかないかで、細胞が生きているかどうかを判別します。表皮細胞には核がありますが、角質細胞は死んだ細胞ですから核はありません。